数年前、ニース美術館の近くで美しい建物に出会った。確か、オテル・ド・カルビスという名のホテルで、パステルカラーの印象的な塔に魅かれ、門を入った。館内には、町の喧騒が嘘のような、ノスタルジー溢れる静かな趣があった。次にニースを訪れる時に泊まりたいと思い、レセプションで尋ねると、もうすぐホテルは廃業し、老人ホームになると言っていた。ずいぶんと豪華な老人ホームだなと感心し、ヨーロッパの富の蓄積はやはり桁が違うなと感慨深かった。もうホテルとして一般に公開されることのない姿を、フィルムに収めた。観光名所でもなく、ふと立ち寄っただけだが、忘れがたく美しい建物として記憶に残っている。

印象的な塔のある美しい建物




肝心のニース美術館(上の建物)のことはさっぱり憶えていない
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世界遺産に登録されているスタニスラス広場に建つ
グランド・ホテル・ド・ラ・レーヌ(Grand Hotel de la Reine)は、かつてマリー・アントワネットも泊まったことがあるという由緒正しい建造物である。
ホテルの階段ホールには優雅な装飾が施されているが、私の泊まった部屋は予想外に落ち着いたインテリアで、華やかさは無かった。きっと部屋によってまちまちなのだろう。このホテルに泊まる醍醐味は、世界遺産の中で過ごすことができることだ。それだけで、とても気分が良い。それは、昼間歩き疲れてホテルへ立ち寄る時も、夜暗くなってから安心してライトアップされた広場を散策する時にも感じることだ。欲を言えば、自由に使える美しいサロンやライブラリールームなどがあると、さらに快適な滞在ができると思うのだが・・・。

左の建物が
グランド・ホテル・ド・ラ・レーヌ
優雅な装飾が施された階段ホール




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エミール・ガレの生地である
ナンシー(
Nancy)には、
アール・ヌーヴォーの建築が数多く残っている。美しくそれぞれが個性的な姿は、春に咲き誇る花々のように魅惑的だ。蔓のように伸びたアイアン飾りや、花弁を模ったレリーフなど、ひとつひとつ凝った意匠を眺めながら散歩するのも楽しい。ほとんどが個人住宅であるため、室内を見学することができないのが残念である。
ブラッスリー・エクセルシオール・フロ(Brasserie Excelsior Flo)では、美しい
アール・ヌーヴォーの装飾の中で食事をすることができる。私は、滞在中に2度ランチをした。店には客がひっきりなしに訪れていて、常に賑わっていた。スタッフの中に小柄で華奢な女性がいた。見ているこちらが心配になる程、大量の食器を載せたひどく重そうなトレイを担いでいた。担ぎ上げる時、一瞬まわりの男性スタッフも気にしたようだが、手を貸そうとはしなかった。フランスでは、重い荷物(と言っても機内持ち込み可能な小さなキャリーバッグだが)を持っていると通りすがりの男性が手を貸してくれることが多い。習慣として根付いているように感じる。が、ひとたび仕事となると、事情が違うようだ。そこにあるのは、徹底した男女平等なのだろう。旅人には解らない、この国で生きていくことの厳しさを垣間見た気がした。

世界遺産に登録されている
スタニスラス広場(Porte Stanislas)を見下ろす





町に息づく
アール・ヌーヴォーの建築

ブラッスリー・エクセルシオール・フロ(Brasserie Excelsior Flo)の内装
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レンヌ(
Rennes)では数々のニワトリの置き物のコレクションが素敵なホテル、
ル・コック・ギャビ(Le coq-Gadby)に泊まった。
レンヌの駅から少し離れた住宅地に、そこだけ美しく可愛らしい空間があった。サロンの設えもセンスの良さが光り、居心地が良い。ここには、ムースリーヌちゃんと言う美猫が住んでいる。すりすりと擦り寄って甘えてきてとっても可愛い。スタッフの感じもとても良く、配慮が行き届いていた。
ル・コック・ギャビはシャトー・ホテル・ド・フランスに加盟している。


センスの良さが光る居心地の良いサロン



美猫のムースリーヌちゃん

部屋のインテリアもお洒落で快適

ツーリスト・インフォメーションのスタッフから、「とにかく25日のクリスマスは神様が誕生した特別な日だから、町中の店はほとんど全て閉まり、バスは時刻表に毎日運行と書いてあっても本当に動くかどうかわからない」と聞いていた。24日のイヴは通常通りとのことだったので、1日で頑張ってフジェールとディナンを観光し、25日はおとなしく
レンヌで過ごすことにした。
美味しいと評判の、
ル・コック・ギャビのレストランでクリスマスランチを頂いた。白を基調にしたエレガントなインテリアで、やはりここでもニワトリの置き物が素敵な演出をしていた。一番早くレストランに入り、スタッフに声をかけて、内装を撮らせてもらった。ノエルの特別メニューはとても上品な味付けで、メインの鹿のローストポルト酒ソース、デザートのスフレととろみのある濃厚なチョコレートケーキが美味しかった。プティフル−ルのマカロンは絶品だった。オーナー夫人が料亭の女将のように、各テーブルをまわり挨拶をしていた。暖かく微笑んで、「何か至らないところは、ありませんか?」と聞いてくれた。「とても、美味しいです」と答え、和やかな雰囲気の中、満足なひと時を過ごした。



Foie gras d'Oie au naturel,Fruits de Saison parfumes

Coquilles St Jacques Normandes,Caramelisees a la maniguette,Laitue de mer

Dos de Chevreuil au sautoir,Pate de Coing epicee,Une poivrade l'egere au porto

Le Grand Dessert
食後は
サン・ピエール大聖堂のクリスマス・ミサに向かった。2日前、ツーリスト・インフォメーションのスタッフに、勇気を出して「クリスマス・ミサに参加したい」と言うと、「とにかく25日のクリスマスは神様が誕生した特別な日だから・・・」と笑顔。迷惑にならないようおとなしく、そっとその場に居られるだけでよいことを伝えると、自分用に持っていたクリスマス・ミサの予定表をくれた。私はクリスチャンではないが、幼稚園と大学はキリスト教系だったし、神様を信じていないわけではないし、そっと静かに参加させてもらうことにした。
町は、嘘のように静まりかえっていた。車もあまり走っていない。ほとんど全ての店が閉まり、歩いている人の姿もめったに見かけない。少し怖いくらいであった。おそらく、ほんの数軒開いているレストラン(これも夜には閉まってしまう)へ行く人は別として、ほとんどの人々は家で家族と、「神様が誕生した特別な日」をお祝いしているのだろう。そう言えば、以前テレビで有名な小説家が、ヨーロッパのクリスマスを経験してから、クリスマスはどこへも出かけないことにしたと言っていた。何だか、ヨーロッパのクリスマスは、ちょっと日本のお正月に似ているような気がした。
ミサは思っていたより人は疎らだった。厳かなパイプオルガンの演奏が始まり、司祭たちが入場してきた。渡されたパンフレットを見ながら、周りの人々に合わせて立ったり座ったりする。時々、美しいオルガンの演奏や聖歌の合唱があり、司祭の祈りの言葉を聞く。最後に、大好きなクリスマスの曲であるグロリアの合唱があった。これは、私も知っている。教えてくれた幼稚園の先生に感謝をしながら皆と一緒に歌った。約1時間のミサが終わった時、厳粛な気持になり、様々なことに感謝の気持を抱き、神様に心の中でお祈りしていた。
レンヌは町並み自体にさほど魅力は感じないものの、奇しくも初めてヨーロッパのクリスマスを過ごした美しい
サン・ピエール大聖堂、素敵な滞在ができたホテル、
ル・コック・ギャビと共に忘れ得ぬ地となった。
サン・ピエール大聖堂(Cathedrale st-Pierre)






上の6枚の写真は、2日前に撮影していた聖堂の中の様子
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レンヌ(
Rennes)はブルターニュの中心都市である。空港があって交通の要所としてとても便利だが、正直期待していた程ピンとこない地方都市であった。古い家並みの旧市街も残っていて、それなりに美しいのだが、それ程でもない。町並みは全く異なるのに、ボルドーを訪れた時の感想に似ている。町並みがどこか、中途半端な気がする。(偉そうに言って、ごめんなさい)
後日紹介するサン・ピエール大聖堂は美しかった。
レンヌ美術館も良かった。これまで数多くの美術館を訪れてきたが、絵画を写したことはなかった。デジカメを新調したこともあり、初めて絵画を写真に撮ってみた。膨大な作品の中から自分の気に入った作品だけを写しておくと、後で自分好みの美術館アルバムができることに気づいた。これまで、美術館で絵画の写真を撮っている人の気持が解らなかったが、帰国後に楽しむことができることを知った。これからは、少しずつアルバムを増やしていきたい。

市庁舎


レンヌ美術館の外観


レンヌ美術館はフラッシュ無しでの撮影が許可されていた。(2007年12月)
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モン・サン・ミッシェルでは、レストランの巨大オムレツが有名な老舗ホテル、
ラ・メール・プラール(La mere Poulard)に泊まった。日本でも、輸入食品店に行くと
ラ・メール・プラールブランドのガレットやクッキーなどをよく見かける。
モン・サン・ミッシェルの門を入ってすぐにあるので、とても便利である。
レセプションのスタッフはとても感じが良く、部屋のインテリアも可愛らしくて、快適に過ごすことができた。
ラ・メール・プラールは
シャトー・ホテル・ド・フランスに加盟している。

赤いオーニングが目印

ここを訪れた著名人のポートレートが沢山飾られている

向かって右の建物に泊まった


部屋の窓からの眺め
ホテルのレストランでランチをした。伝統のオムレツが組み込まれたコースを頂いた。選んだ海の幸のオードブルの1品である、ムール貝の泡クリーム添えは出色の美味しさであった。メインの巨大なオムレツはその大きさに圧倒されたが、ふわふわのホイップ状なので食べやすかった。デザート、プティフルールはともにフランスの伝統を感じさせる深い味わいでとても美味しかった。もし、名物のオムレツだけ食べてこのレストランを後にしていたら、この店がこんなに美味しいのを知らずに終わっていただろう。

レストランの営業中は、ここでオムレツを作る実演をしている


海の幸のオードブル

その大きさに圧倒される名物のオムレツ(1人前はこの半分の大きさで、切り分けてくれる)

薪火焼きメール・プラー伝統の甘いオムレツ

アネット・プラーのグルマンなデザート

プティフルールの盛り合わせ
夜は、近くの系列店であるテラス・プラールで、ノルマンディー・ブルターニュを訪れたら1度は食べたい海の幸の盛り合わせ(フリュイ・ド・メール)を食べた。豪快な見た目に果敢に挑み、食べたと満足した。

私は牡蠣アレルギーを持っているので、その分を別のものに替えてもらった
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モン・サン・ミッシェルでは1泊して、前回見ることができなかったライトアップされた夜景を写真に撮る気満々であった。が、夕暮れの中の全景を撮ることに意識が無かった。水辺に映る夕日の美しさに気を取られ、そちらばかり写していた。
ようやく気づいて1本道を懸命に走ったが、既に陽はほぼ落ちていた。全く、何をやっているんだか・・・。だが、周りを見ると似たような人々が多い。その時、その場所に居ながら最高の瞬間を捉えて、きちんと写真に撮れている人は少ないだろう。きっと、そんなことができるのはもうプロのカメラマンだなと、勝手に自分を納得させていた。
期待していた通り夜景はとても美しかったのだが、腕のせいか、写真にはあまり綺麗に撮ることができなかった。

とっても周りの水辺が美しかったので・・・



懸命に走ったが、既に陽は落ちてしまった・・・

でも綺麗だな、やっぱり



昼間の喧騒が嘘のような、夜のモン・サン・ミシェル

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モン・サン・ミッシェル(Mont St-Michel)は、その独特な景観から、一度目にしたら忘れることができない陸の孤島である。大天使ミカエルのお告げにより建てられたと言う修道院を頂に構え、神秘的な美しさが旅人を誘う。
私は、サン・マロからバスで向かった。広大な砂地に造られた1本道の先に
モン・サン・ミッシェルが見えた時、また会えたね、と嬉しくて心の中で島に挨拶していた。バスを降りると、1本道を歩いて島から遠ざかってみたり、また近寄ってみたりしながら、全景をカメラに収めた。本当は島の周りを1周して、あらゆる角度からその姿を見てみたかったのだが、砂地はひどくぬかるみ、転ぶと洒落にならないので途中で諦めた。
修道院のテラスから、青く晴れた空とどこまでも続く広大な大地を眺めた。

また会えたね、
モン・サン・ミッシェル

空から見守る大天使ミカエル


看板もそれぞれ美しい


修道院に向かう途中の教会にて

大天使ミカエルの像


修道院の門を入る




修道院の美しい回廊


青く晴れた空とどこまでも続く大地
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サン・マロ(St-Malo)では
ザ・グランド・ホテル・デ・テルム(THE GRAND HOTEL DES THERMES)に泊まった。日本にもいくつかあるテルム・マランの本家のホテルである。
グランドホテルの面影を今に伝えるパレス風の美しい建築で、内装はモダンに改装されている。当初、レンヌとサン・マロのどちらに長く滞在するか迷ったが、今回初めて訪れるレンヌに3泊、2度目のサン・マロに2泊した。結論から言うと、サン・マロに長く滞在すべきであった。サン・マロは町自体が美しく魅力的な上、モン・サン・ミッシェル、カンカル、ディナール、ディナン、フジェール、レンヌなど近郊の町へ向かうバス便が充実していて、観光の起点としても大変便利である。
2泊の滞在では、観光に追われ十分な時間がなく、一応アクアトニック・プールには入ったが、その他のホテルの機能を使いこなすことはできなかった。

海辺から見たホテル





部屋の窓からの風景
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高い城壁に囲まれた
サン・マロ旧市街(
St-Malo)は、
ブルターニュの
エメラルド海岸に浮かぶ大きな船のようだ。かつて、海賊の拠点となりフランス最大の港として栄えたと言う。そのせいか、
サン・マロにはどこかロマンを感じる。
前回訪れた時は、事前に全くその存在を知らなかったが、偶然に見ることができた。バイユーから日帰りの予定でモン・サン・ミッシェルに行き、電車の乗り継ぎに失敗して帰れなくなり、急遽
サン・マロに泊まることになったのである。予期せぬハプニングで、
サン・マロの素晴らしさを知った。こんなにも美しい所を見ないで素通りしようとしていたなんて、知らないということは怖いと、その時思った。
逸る気持を抑えつつ、海岸沿いの道をゆっくり
サン・マロ旧市街に向かって歩いてゆく。冬の朝の海辺は研ぎ澄まされたように美しく、立ち止まってはシャッターを切ることを繰り返して、なかなか前に進むことができなかった。
やがて、朝焼けの中に
サン・マロの姿を捉えた時、胸の奥に刻まれていた感覚が鮮やかに甦ってきた。約10年の時を経て、再び出会えた美しい風景と記憶の中の風景が重なり合い、心に深く共鳴した。それは視覚だけではない。鴎の鳴く声、懐かしい潮の香り、空気感、あらゆる感覚の全て。私は、訪れたのではない、ここに還ってきたんだと感じていた。

海辺に並ぶ石造りの
ブルターニュの家

朝焼けの中の美しい
サン・マロ、懐かしさが込み上げてくる


満潮時には海の中に沈む砂浜から見る





いざ、城壁の中に入る

城壁の中の旧市街

魅力的な路地裏


ブルターニュの新鮮な海の幸
ソバ粉のクレープであるガレットは、
ブルターニュの郷土料理で
サン・マロにもクレープリーが沢山ある。
サン・マロで一番美味しいと言われる店の名前を忘れてしまい、適当に目星をつけて入った店LA TOULINEもとても美味しかった。デザートに選んだスタッフお勧めのスペシャリティ、リンゴとキャラメルソース、アーモンドのクレープは、思わず笑みがこぼれる美味しさだった。



ハム、チーズ、卵のクレープサラダ乗せ

スペシャリティのリンゴとキャラメルソース、アーモンドのクレープ、シードル
サン・マロは城壁の上からの眺めも素晴らしいです。
次回は、夕暮れの城壁を1周する様子を載せたいと思います。
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日本では、あまり知られていない美しいリゾート。
ディナール(
Dinard)は、ブルターニュのエメラルド海岸にある。サン・マロからバスで行き、約2時間という短い滞在時間をひたすら海辺の遊歩道を歩いて過ごした。
海に開けたビーチの先、左右に続く魅力的な遊歩道を、どちらから先に歩くか迷ったが、とりあえず右の道を歩いてみた。この辺りは、干満の差が激しいため、満潮時にはすっかり海に浸かってしまう遊歩道である。もっと先に進んでみたかったが、左に続く遊歩道も気になったので、サン・マロの遠景を写真に収めるとビーチに戻り、今度は左の道を歩き始めた。崖の上には、ノルマンディー様式とは異なる、石造りのブルターニュ独特の美しい邸宅が並ぶ。エメラルド色の海と、邸宅を交互に眺めながら隣の町まで歩き、また来た道を引き返してきた。ここで時間切れであった。
今回行けなかったカンカル(Cancale)、グランヴィル(Granville)と共にいつか再訪して、海に向かって右に続く遊歩道も心ゆくまで歩いてみたい。

海に向かって右に続く遊歩道


大好きな美しい町サン・マロを望む


崖に沿って続く遊歩道

右の遊歩道からビーチに戻ってきた

海に向かって左に続く遊歩道沿いに並ぶ美しい館


どこまでも歩いて行きたくなる遊歩道が続く




エメラルド色の海

海に迫り出した遊歩道は歩くととても気持が良い



左の遊歩道からビーチに戻ってきた
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ドーヴィル(
Deauville)と聞くと、フランシス・レイのテーマ曲と共にクロード・ルルーシュ監督の映画「男と女」を思い浮かべる人も多いだろう。夏にはパリの社交界が移動してくると言われる程、上流階級が集うリゾートとしても有名である。
冬の静かな海辺のリゾートは、想像していた通りとてもエレガントな雰囲気に包まれていた。さながら、建築の野外美術館のような趣さえある町では、エルメスやルイ・ヴィトンなどブランドの店舗、デパートのプランタンまでもが美しいノルマンディー様式の建築であった。

海沿いに並ぶ美しいノルマンディー様式の邸宅


マルシェも洒落ている

クリスマスの装飾が素敵な市庁舎



ディオールなどブランド店もノルマンディー様式の建築


映画の舞台となったホテル、ノルマンディー・バリエール
夕暮れ時の海辺を散歩していたら、心の情景を、美しい映像と印象的な音楽で見事に描いたあの映画を見たくなった。アヌーク・エーメの美しさが忘れられない。

ドーヴィルで泊まったホテル、ノルマンディー・バリエールについては、カテゴリー「海外の美しいホテル」の中で2008年1月13日(日)の日記に記載しています。
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テーマ:フランス - ジャンル:旅行
セレブリティが集う高級リゾートとして有名な
ドーヴィル(
Deauville)のすぐ隣に位置する
トゥルーヴィル(
Trouville)も、忘れてはならない美しい町である。鉄道駅は
ドーヴィルと同じで、駅舎も洒落ている。
トゥルーヴィルは平地が続く
ドーヴィルと異なり、小高い丘の上にもノルマンディー様式の邸宅が見られる。ここには、いわゆる観光名所のようなものがあるわけではない。美しい海とノルマンディー様式の建築が織り成す風景そのものが、最大の見所である。
丘の上に広がる住宅地に上がって、上からの眺めを楽しんだ後、海辺に降りて砂浜をゆっくり散歩した。視線を足元に落とすと、貝殻が沢山打ち上げられていた。美しい宝物を見つけたような気がして、久しぶりに貝殻を拾った。

駅舎もどこかお洒落な雰囲気


丘の上にも美しいノルマンディー様式の邸宅が並ぶ


高台から海を見下ろす


海辺には豪壮な館が並ぶ


海辺に打ち上げられた宝物

ここでは、町歩きの時に偶然みつけた店Les Mouettesでランチをした。扉にはミシュランのマークも貼ってあった。オフ・シーズンで、レストランは閉めたり閑散としている店が多い中、ドアを開けるとほぼ満席で、そこだけ嘘のように活気に満ちていた。客はほとんど全て地元の人々のようであった。これは当たりだな、と瞬時に察した。こういう店は、有名店や高級ホテルのレストランと違って、値段が安くて美味しいのである。
ずっと食べたかったムール貝のホワイトワイン蒸しを前菜に選び、メインは白身魚のクリームソース、デザートにはクレームキャラメル(プリン)を頼んだ。どれも美味しく、満足した。スタッフの感じもとても良く、見ていて気持が良いくらい、キビキビと動き回って給仕をし、食後にサービスでカルヴァドスを注いでくれた。

ムール貝はふっくりして美味しい

ノルマンディーはバターやクリームが美味しい

特大のプリンも嬉しい

粋なサービスのカルヴァドス
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オンフルール(
Honfleur)では2泊した。初日にとっても可愛らしいホテル、
レ・メゾン・ド・レア(Les maisons Lea)に泊まった。それは旧港のすぐ近く、サント・カトリーヌ教会(Eglise Ste-Catherine)の斜め前にある。外壁にはクリスマスの飾りつけがされ、よく見ると、クマの縫いぐるみがリボンと一緒に付いていた。
ホテルのドアを入ると、そこには可愛いものが好きな女性なら、思わず顔がほころんでしまうラブリーな世界が広がっていた。白、黄色、淡いブルーと、ニワトリや白鳥の置き物がセンスの良さを感じさせるダイニングルーム。シックな深いローズ色と薔薇の装飾が美しいライブラリールームとティールーム。
部屋の鍵には小さなクマちゃんが付いていた。私の部屋も、淡い黄色で纏められ、アヒルの照明、ニワトリの置き物、かぼちゃのリースなどが可愛らしいインテリアで、快適に過ごすことができた。

左の建物が
レ・メゾン・ド・レア(Les maisons Lea)、右は鐘塔。

クリスマスツリーが飾られたロビー

センスの良さを真似してみたくなるダイニングルーム


シックな美しさのライブラリールーム

とうもろこしのタッセル、ひまわりの花など隅々まで可愛い部屋
オンフルール2日目に泊まったホテル、フェルム・サン・シメオンについては、カテゴリー「海外の美しいホテル」の中で2008年1月8日(火)の日記に記載しています。
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テーマ:海外旅行記 - ジャンル:旅行
オンフルール(
Honfleur)は印象派の画家に愛された港町として名高い。古い家並みの町全体が美しいが、旧港はまさに絵のように美しい。深いグレーの壁、色とりどりのオーニング(日よけ)、停泊するヨット、それらが水面に映る様子は調和のとれた風景画を見ているようである。
約10年ぶりに見る旧港は、変わらない美しい姿で私を迎えてくれた。旧港の周りをシャッターを切りながら、ゆっくり歩いた。見覚えのある形や色を一つ一つ確認してゆく。様々な想いが心の中をよぎってゆく。ふと想い出して、以前訪れた時に入ったティー・ルームに向かった。100日間の旅を始めてまだ間もない頃に偶然立ち寄った店で、そのオーナーの言葉が甦ってきたからであった。
だが、そのティー・ルームは無くなっていた。変わらないように見えて、確実に過ぎ去ってゆく時の流れを感じた。


どこか夢見るような曇りの日の旧港



別の顔を見せてくれる晴れた日の旧港



オンフルールの町を歩いていると、細い石畳の路地で、はっとするような洒落た店に出会う。さすがフランスと感心する、センスの良いウィンドウを楽しむ。


オンフルールには、美しいサント・カトリーヌ教会(Eglise Ste-Catherine)やウージェーヌ・ブーダン(Musee Eugene Boudin)美術館、エリック・サティの生家(Maisons Satie)など見所も多い。

サント・カトリーヌ教会(Eglise Ste-Catherine)の内部


エリック・サティの生家(Maisons Satie)の一室
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テーマ:旅の思い出 - ジャンル:旅行
シシーの愛称、数々の美しい肖像画と共に、今も人々が忘れ得ぬ美貌の
オーストリア皇妃エリザベート。彼女が一夏を過ごした城である
シャトー・ド・サセト(Chateau de Sassetot)は、現在ホテルになっている。
エトルタから、ル・アーブル発フェカン(Fecamp)行きのバスでフェカンに向かい、そこから16km離れた城まではタクシーで行った。広い前庭の向こうに、淡いピンクの城が建っていた。
通された部屋は、これまで泊まってきた
古城ホテルとは異なり、とてもシンプルな部屋だった。ここが紹介されていた、
古城ホテルの本を読んで期待していただけに、少々拍子抜けしたが、
シシーの肖像画が印象的なダイニングルームは美しかった。
フェカンの観光を諦めて、城を囲む落葉樹の中を散歩した後、ディナーを頂いた。暗くて写りが悪いので写真は割愛するが、メインの鴨料理は塩味がちょっときつかった。デザートのパイナップルのグラタンは美味しかった。
最寄駅から離れている
古城ホテルに泊まる時は、往復のタクシー代を含めた料金と、その不便さゆえ観光が制限されることに見合う内容かどうかを、事前によく見極めることが重要だと改めて感じた。
もう1つ上のランクの部屋に泊まっていたら、感想は違っていたかも知れない。(私が泊まった部屋は下から2つ目のランクで、もう1つ上のランクは満室のため、見ることも替わることもできなかった。)

美しい町フェカンも乗り継ぎしただけで観光はできなかった


城の周りの落葉樹


シシーの肖像画が飾られた美しいダイニグルーム

シシーの写真や資料があるティー・サロン
古城ホテルにしてはシンプルな部屋
シャトー・ド・サセト(Chateau de Sassetot)は、
シャトー・ホテル・ド・フランスに加盟している。
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