高台から俯瞰したその眺めは、これまで数々の映像で見てきたのに、
ポルトフィーノ(Portofino)の美しさは、私の想像を遥かに超えていた。緩やかな弓を描く優雅な曲線を彩る家並みと、碧く煌めく静かな内海が絶妙な調和を成している。木々の間に見え隠れするヴィラや、港に停泊するヨットやクルーザーが、非日常を演出する。
かつて、長く忘れ去られていた鄙びた漁村の美しさに気付いた金持ちたちが、豪華なヴィラを建て、リゾートを楽しむようになった。彼らのお陰で、
ポルトフィーノは一般の人々に存在が知られるようになった。ヨーロッパを旅していていつも感じるのは、王侯貴族や金持ちたちがこぞって城や別荘を建てる場所は、格別に美しいということ。この世の楽園とも言うべきコートダジュールやイタリアの湖水地方、シントラ・・・。審美眼を持った人々が、逸早くその美しさに気付き、高い美意識と財力でより洗練された空間を生み出してゆく。富の集中と、美の集約。それが良いことだとは言わない。私のような一介の旅人は、通りすがりの気楽さで、ただ美しさの一端に触れ愛でるのみである。
私は松林と糸杉に囲まれたベンチから
ポルトフィーノを眺め、勝手にこの世の楽園に認定した。

この美しさに言葉はいらない


青く広大な外海と碧く静かな内海

見たことがない不思議な風景

次回はぜひ泊まりたいホテル・スプレンディドが山の中腹にある
ポルトフィーノの美しさを彩る豪華なヴィラ


もうこれは、この世の楽園だな・・・

木陰のベンチはとても心地よい
ポルトフィーノにはやはり船で入りたい。私は、滞在先のサンタ・マルゲリータ・リグレから定期船で行った。緩やかなカーヴの先に小さな港が見えた時、胸が高鳴るのを感じた。ここは特別な場所だ。

停泊するヨットやクルーザーの間を進む


小さな港が見えてきた

ポルトフィーノに上陸

締めはこれ
ポルトフィーノは俯瞰が最も美しい
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チンクエテッレの5つの村の中で、唯一山の上にあり、船で上陸できないコルニーリア(Corniglia)には行かなかった。本来は5つの村全てを訪れると、チンクエテッレを見てきたという達成感も得られるのだろう。でも、なぜか行く気になれなかった。いつ、再訪できるかどうかさえ分からないのに、次回に取って置いてもいいかなという妙な気持ちが芽生えたからだ。時々、そんな気分になってしまう。ピサのすぐそばまで来て、2度とも斜塔を見なかったのに似ている。自分でも説明のつかない変な気持ち。
コルニーリアを見なかった替わりに、魅力的な
ポルトヴェーネレ(Portovenere)を訪れた。チンクエテッレと共に、世界遺産に登録されている美しい村だ。列車駅は無く、私は船で村に入った。海の上に浮かぶように石造りの教会が建っている。村は、チンクエテッレに比べ洗練された雰囲気がある。細い路地を彷徨って見つけた小さなブティックで、懲りずにリボンブレードの帽子を買った。結局、滞在中被らなかったけれど・・・。高台の家には、見晴らしが良い洒落たテラスがある。そのテラスの椅子に腰掛けて、飽くことなく美しい海の眺めを楽しんでみたい。テラスと海の風景は写真に撮って、こっそり持ち帰ってきた。

美しい
ポルトヴェーネレを海から望む


海の上に建っているかのようなサン・ピエトロ教会


何気なく置かれていた花嫁のブーケと海


こっそり持ち帰ってきた素敵なテラスと海の風景



高台に建つサン・ロレンツォ教会


梁に施された彫刻を見上げる
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チンクエテッレでは、5つの村の1つである
モンテロッソ・アル・マーレ(Monterosso al Mare)を拠点に観光した。
モンテロッソ・アル・マーレで最も印象に残っているのは砂浜の端にある巨人の像だ。岸壁の上、何かに耐えているかのような風情で、静かに村を見守っている。
私はいつも、旅行の数ヶ月前にホテルの予約手配をするのだが、5月の
チンクエテッレはオンシーズンで、既にかなり埋まっていた。ここだと思うホテルが見つからず、取りあえず押さえた4☆のホテル、ラ・ヴィラ・デリ・アルジェンテリに泊まった。それなりに快適に過ごせたが、
チンクエテッレを深く印象付けてくれるようなホテルではなかった。初めての地、特に田舎の村や日本で詳細な情報が得難いところを訪れる時は、必要以上に交通の便を心配して、ホテル選びが制約されてしまう。実際に行ってみて分かったことだが、交通の便も大事だが、時間に余裕があれば、列車駅が無く車か船でしか行けない美しいポルトヴェーネレ(Portovenere)などに滞在しても、
チンクエテッレを観光することは十分に可能だ。旅の完成度(自分なりの満足感)を高めるためには、旅に懸ける思いの強さと、情報収集力を磨くことが大切だと感じる。

広い砂浜がある
モンテロッソ・アル・マーレ(Monterosso al Mare)



岸壁の巨人像

苦悶しているようにも見える

村の至る所で見かけるレモン

4☆のホテル、ラ・ヴィラ・デリ・アルジェンテリ

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ヴェルナッツァ(Vernazza)は、世界遺産に登録されている
チンクエテッレの5つの村の中で、最もフォトジェニックな村だ。ここでは、湾に面して村の顔とも言うべき場所に教会が建っていて、その鐘楼が美しさに華を添えている。高台の展望台には、ぜひ上っておきたい。美しいものに出会うためには、もし足が疲れていても、労を惜しんではいけない。上からの眺めは素晴らしく、疲れも吹き飛んでしまう。碧い海とパステルカラーの家並み、印象的な教会、静かな湾の小さな浜辺。海水浴を楽しむ人々。海辺のカフェで寛ぐ人々。穏やかで平和な風景が広がる。この風景をいつまでも忘れたくない。胸いっぱいに深呼吸した。

教会の鐘楼が印象的な
ヴェルナッツァ


村の中を散歩する


光と影のコントラストが美しい


展望台に上がり、胸いっぱいに深呼吸する

いつまでも忘れたくない美しい風景


海辺の静かな教会の中

教会の中から海を見る
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リオマジョーレから「愛の道」を歩いて、
マナローラ(Manarola)に行った。
途中、通りすがりのおばあさんから帽子姿を褒められた。ヨーロッパでは、競馬場にいる貴婦人などは別として、どんなに陽射しが強くても殆どの人々(たぶん99%)は帽子を被らない。一説によると、日に焼けた小麦色の肌は、セレブリティのようにヴァカンスを楽しんだ証拠となるらしい。皆ここぞとばかりに肌を焼いている。たまに、日焼け防止のためではなく、あくまでファッションとしてキャップを被っている人はいる。ヨーロッパの日常で、つばの広い帽子を見かけたら、ほぼアジア人だ。日傘をさしている人を見つけたら、それは日本人だ。間違いないっ!(古い・・・)私も焼けないようにと、せっかくイタリアのGREVIの帽子を被っていたが、あまりに帽子を被っている人を見かけないので、帽子を被ってはいけない法律でもあるのかしら、浮いててものすご〜く変な人に見えるのかしらと、ちょっと不安になってきたところだった。なので、おばあさんの褒め言葉はとても嬉しかった。
帽子を被っててもいいんだと、気分を良くして
マナローラを観光した。岸壁に沿った道に、木陰のベンチがあり、そこから村を一望することができる。そのお気に入りの場所から、心ゆくまで村の美しい眺めを堪能した。

ベストポジションから
マナローラを眺める


左下のカーヴした家が村の美しさに磨きをかけている




お気に入りの木陰のベンチから美しい
マナローラを眺める
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リオマジョーレ、マナローラ、コルニーリア、ヴェルナッツァ、モンテロッソ・アル・マーレ。これら、イタリアのリグーリア州の海岸に並ぶ5つの村は、
チンクエテッレ( Cinqueterre)と呼ばれ、世界遺産に登録されている。
以前、やはり世界遺産に登録されているアマルフィ海岸の村々を巡り、そのあまりの美しさに感激して、イタリアの海岸線を全て旅して制覇したいと思った。まだサルディーニャ島のエメラルド海岸にも行ったことはないが、これまで有名なカプリ島やシチリア島のタオルミーナ、東リヴィエラのポルトフィーノ他を見てきた。どこもみな素敵だったけれど、アマルフィの感動を超えることはなかった。チエンクエテッレも素晴らしかったけれど、私の中の、海辺の風景in ITALY第1位の座は、やはりまだアマルフィのままだ。アマルフィについては、いつかまた改めて取り上げようと思う。できれば、再訪してデジカメで写真を撮り直して来たい。
ここではまず、
チンクエテッレの1つの村、
リオマジョーレ(Riomaggiore)を紹介しよう。深く切り込んだ入り江、岸壁に張り付くように建ち、明るい陽光に映える色彩豊かな家並み、輝く碧い海。これで美しくない訳が無い。そう、やはりとても美しい。船から眺める村も、陸に上がって見る村も、全てが絵になる。これを第1位と思わせないイタリアの美しさ、恐るべし。

深く切り込んだ入り江に建つ家並みが特徴の
リオマジョーレ


明るい陽光に鮮やかな色彩が映える


入り組んだ細い路地を歩くのも楽しい


輝く海に開けたテラス
リオマジョーレから隣のマナローラまで岸壁にそって続く遊歩道は、「
愛の道」と呼ばれ親しまれている。ゆっくり歩いて30分程の散歩道は、碧い海の美しさを間近に感じることができ、とても気持ちが良い。
リオマジョーレからマナローラへ向かう

イタリアならではの碧い海

とても気持ちが良い遊歩道

海の上で食事をする人々



「
愛の道」のシンボルは可愛いベンチ

マナローラへと続く道
マナローラは次回ご紹介したいと思います。
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トスカーナにある城壁に囲まれた
ルッカ(Lucca)は、中世の面影が残る美しい町だ。フィレンツェやピサ、モンテカティーニ・テルメからのアクセスも良く、気軽に訪れることができる。
その日は午後から晴れ渡り、青い空に教会のファサードが良く映えていた。柱の一本一本に至るまで異なる彫刻が施されたもの。金色に輝くモザイクで飾られているもの。数ある教会は様々な建築様式で建てられており、それぞれに美しい。
町を囲む城壁の上は遊歩道になっている。城壁の端に腰掛けて、のどかな陽射しの中でぼーっとするのもとても気持ちが良い。

ロマネスク・ゴシック様式のドゥオーモ

ピサ・
ルッカ様式のサン・ミケーレ・イン・フォロ教会

美しいファサードを見上げる


金色に輝くモザイクが美しいサン・フレディアーノ教会


野外劇場広場
ルッカはプッチーニの故郷でもある

気持ちの良い遊歩道が続く城壁
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モンテカティーニ・テルメ(Montecatiini Terme)では伝統あるホテル、
グランドホテル・ラ・パーチェ(Grand Hotel & La Pace)に泊まった。グランドホテルの面影を残す立派な建築。レモンが実る庭に黄色い外壁が良く似合う。黄昏時のラウンジではバンドの生演奏が楽しませてくれた。朝食は鮮やかなブルーの天井画が美しい広いメインダイニングで頂いた。その時部屋にいたのは、私の他にもう一人だけ。ツアー客はもう1つの小ぶりな部屋に案内されていた。こんな時、個人旅行の良さを改めて感じ、個人客を大切にするホテルの好感度も上がるのだ。
近郊の代表的なイタリア式庭園(ガルゾーニ荘、トリッジャーニ荘、マシン荘、レアーレ荘など)を全て制覇したいと思い、コンシェルジュに相談すると、開園時間もまちまちでタクシーを雇ったとしても一日で見るのは難しいようだった。それにここでは、タクシーを一日単位で雇うことは出来ず、1箇所ずつ値段設定があり、さらにかかった時間分の料金が加算されるとのこと。ユーロ高がピークに達していた頃でもあり、トータルの値段はかなりのものになる。諦めて、ガルゾーニ荘があるコッローディとルッカへバスで行くことにした。5☆の高級ホテルに滞在しながら、バスで移動する人も珍しいのか、親切なコンシェルジュには「乗り継ぎが難しいからやめた方が良い。電車で行けるルッカだけにしたら。ルッカはとても美しいから。」と勧められたが、頑張って両方行ってしまった。全然、余裕だった(ちょっと得意げ)。旅の技術が向上していることに、勝手に喜ぶ。なんて、ヨーロッパでこの程度のことで喜んでいるようでは、モロッコやインドには行けまい。やはり、個人では行きにくい所は、ツアーのお世話になるしかないな。それに、ツアーには、ツアーならではの良さもあるし。どんな形でも、とにかくいつか絶対にモロッコ、インド、南米(他にもいっぱい)に行きたい、と決意を新たにする。

黄色い外壁がレモンに良く似合っている



美しいラウンジでバンドの生演奏を楽しむ


朝食を頂いた天井画が美しいダイニグルーム

部屋はモダンに改装されていて、お洒落な感じ
グランドホテル・ラ・パーチェ(Grand Hotel La Pace)は
ザ・リーディング・ホテルズ・オブ・ザ・ワールドThe Leading Hotels of the Worldに加盟している。
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私は特別温泉好きではないが、ヨーロッパの温泉には何故かとても魅かれる。深い緑の中に立ち並ぶ美しいパヴィリオンやホテルは、非日常を想起させる。贅を凝らした宮殿のような建築群には、フェイクではない本物の美しさがある。
イタリアの
モンテカティーニ・テルメでは、ボッティチェリの絵画のようなロマンティックな美しさを感じる。有名なドイツのバーデン・バーデンとは異なる趣がある。それは、どこまでも甘く優美だ。古代ローマ時代の神殿を思わせる列柱、女神の絵が描かれた回廊、白い大理石の飲泉台。私は、ピアノの演奏に耳を傾け、ゆっくりと流れる優雅な時間に身を任せた。いつしか、現代社会が様々な利益と引換えに失ってきた美について考えていた。科学が進歩して、確かに世の中は便利になった。でも、美については、現代が過去を超えているとは思えない。決して。
モンテカティーニ・テルメの中心となる施設

美しい・・・と思わず溜息が漏れる装飾

どこもかしこも美しい


ゾクゾクするほど美しい噴水 しばらく見惚れていた


本当にひたすら美しい(いい加減に我ながらしつこい)

白い大理石の飲泉台

クラシックからジャズまで無名のピアニストが演奏してくれた

天井画が美しいカフェで濃厚なチョコラータを飲むのも良い


町には、他にも魅力的な美しい施設が並んでいる。近郊には、フィレンツェやピサ、ルッカ、ピストイア、コッローディなど見所も多い。観光の拠点として滞在するのも良い。



深い緑に覆われた公園のような町から、高台のモンテカティーニ・アルトを見上げる
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フィレンツェの中心地から車で10分程の小高い丘に、
トッレ・ディ・ベッロズグアルド(TORRE DI BELLOSGUARDO)という名のイタリアンヴィラを改装したホテルがある。13世紀、ダンテの親友であり詩人のグイド・カヴァルカンティが狩猟用の別荘として建てたヴィラは、その後貴族の社交サロンとなった。天井に施された繊細なフレスコ画の数々に、その歴史を感じることができる。
私が宿泊した日は、小雨が降ったり止んだりと、冴えない空模様だったが、美しいヴィラで過ごす時間はとても心地良かった。オウムがいるガラスの回廊でゆっくりお茶を楽しんだり、薔薇が咲くイタリア式庭園を散歩したり・・・。庭園から見渡すフィレンツェの景色も素晴らしい。フィレンツェの美しい別の貌を知ったような気がして、嬉しかった。
いつか、フィエーゾレのヴィラ・サンミケーレに泊まり、イタリアンヴィラを心ゆくまで満喫してみたい。
トッレ・ディ・ベッロズグアルドは、それよりもう少し身近にヴィラ体験ができる美しいホテルである。

糸杉の並木道の向こうにイタリアンヴィラのホテルがある

フレスコ画の天井を見上げる

階段も美しい



美しいフレスコ画が施されたサロン

ガラスの回廊でお茶を楽しむ

オウムに挨拶してみる


広いバスルームに比べコンパクトな造りの部屋

手描きの絵が印象的なアンティーク家具


イタリア式庭園に向かう


薔薇が咲く庭を散歩する






美しいフィレンツェの風景を眺め、再訪を誓う

また会う日まで、フィレンツェ
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美の都フィレンツェには見所が多い。ウフィッツィ、パラティーノ、アカデミア美術館はフィレンツェを訪れる度に行っておきたい、外せない場所だ。尤も、ルネッサンスの息吹を今に伝える町全体が美術館であるとも言える。
そんな町では、薬局も美しい。日本にも支店がある
サンタ・マリア・ノヴェッラ薬局(Officina Profumo-Farmaceutica Santa Maria Novella)の起源は、13世紀、ドミニコ会修道院まで遡ると言う。1612年に一般の薬局になったそうだ。店に入ると、フレスコ画に覆われた天井にシャンデリアが輝き、仄かなハーブの香りが漂っている。吸い込まれるようにして奥に進んでゆく。香りの美術館のような店の先に、ぽっかりと開いた中庭と回廊があった。しばし、その静かな回廊を見つめていた。美の伝統を受け継いでゆく人々がいる限り、きっとこの風景は変わらないのだろう。ミケランジェロ広場から眺めるフィレンツェの風景のように。
サンタ・マリア・ノヴェッラ薬局の美しい店内





静かな美しい回廊
店のスタッフに許可をとり写真を撮らせて頂きました。
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テーマ:ヨーロッパ旅行記 - ジャンル:旅行
これまで、絵を見て泣いたのはただ一度だけだ。二十歳の時、涙の向こうに見た究極の美の世界。ボッティチェリの「
プリマヴェーラ(春)」。
あれから時が流れ、3度目の再会を果たした。涙の再会とはならなかったが、やはり、とびっきりの美しさであった。門外不出のイタリアの至宝「
プリマヴェーラ」に会うには、こちらから
フィレンツェに出向くしかない。
残念ながら、イタリアの美術館は撮影禁止の所が多く、ウフィッツィ美術館で「
プリマヴェーラ」を撮ることはできなかった。が、美しい町の様子は沢山写してきた。一部を以下に紹介したい。
フィレンツェのシンボルであるドゥオーモ


ドゥオーモのクーポラに上り、美しい町を見渡す

「
プリマヴェーラ」に会えるウフィッツィ美術館

アルノ川に架かるポンテ・ヴェッキオ


シニョリーア広場







ミッレミリアも少し観戦した

パラティーナ美術館の窓から見た風景
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ロコロトンドを見た後、
チステルニーノ(
Cisternino)に向かった。インターネットで事前に調べた情報では、旧市街の入口が非常に分かりづらいとのことだった。入口は2ヶ所しか無いという。私はタクシーで行ったので、ドライバーに教えてもらい迷わずに入ることができた。だが、細い路地は他の白い町よりもさらに複雑に入り組んでいて、白い立体パズルの中に迷い込んでしまったかのようであった。彷徨っていると、信じられないような場所に道が繋がっていて、通り抜けることができた。ウキウキしながらトンネルを潜り抜け、階段を上がっては降りて、またトンネルを潜った。旧市街の面積は小さいはずなのに、いくら歩き回っても方向感覚が掴めず、道が覚えられなかった。結局、その白くて可愛らしいパズルは攻略することができないまま時間切れとなった。

白い迷宮への入口






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テーマ:★イタリア旅行★ - ジャンル:旅行
南イタリアプーリア州にある
ロコロトンド(
Locorotondo)は離れて見ると白いティアラを思わせる美しい町だ。前出のオストゥーニからタクシーで行った。この辺りには魅力的な白い町が点在する。できれば、全てを制覇したいが、それは無理なので代表的な町を選んでまわることにした。
ロコロトンドはオストゥーニより規模が小さいので、攻略するのは容易い。まずは地図を見ながら歩いて全体像を把握する。その後は、足の向くまま気の向くまま白いラビリンスに身を任せる。自分でも不思議な程、細い路地を彷徨うのが好きだ。動物がぐるぐる歩き回ってマーキングをするかのように、うろうろ歩き回って写真を撮る。一通り歩いて、見て、美しさに浸って満足した。
私は海外旅行から帰国すると、地図を広げて、訪れた地名をピンクのマーカーで塗っている。
ロコロトンドは持っているヨーロッパの地図には載っていなかったが、地図は大分ピンクに染まってきた。いつか、全てを真っピンクにしたい。ヨーロッパだけではなく、世界中・・・。途方も無い上に、だから何なんだという夢だけど、きっと旅好きな人には解ってもらえるだろう。

白いティアラを連想させる
ロコロトンドの遠景





白い町で印象的だったバロック装飾

町からイトリアの谷を見下ろす
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テーマ:海外旅行記 - ジャンル:旅行
アルベロベッロは、南イタリア
プーリア州にある世界遺産の町だ。名前も可愛らしいが、町を歩いていると、とんがり屋根がニョキニョキ出ている様子に、御伽の国に迷い込んでしまったかのような気持になる。
ここは日本人にとても人気があり、他の
プーリア州の町では出会わなかったのに、沢山見かけた。土産物屋の人も片言の日本語で話しかけてくる。「ナベツカミアルヨ」と言われて意味が解らなかったが、それはとんがり屋根の家(
トゥルッリ)の形をした「鍋つかみ」のことであった。

まるで御伽の国




アルベロベッロでは
トゥルッリに泊まった。鍵を貸してもらい、滞在した3日間だけは町の住人のように、
トゥルッリが自分の家だった(あくまで気分です)。私の家は小さいながらも快適に過ごせたが、同じ値段でキッチン、暖炉付きのリヴィングルームまである素敵な
トゥルッリにも泊まれたことを後で知った。「良い旅は、良い情報から」と常々思っているが、詰めが甘かったようだ。インターネットを駆使して、最新最善の情報を収集したいと改めて思った。

3日間だけ私の
トゥルッリ トゥルッリの屋根を見上げる

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南イタリア
プーリア州の中でも、一際異彩を放つ町
レッチェ。町にはバロック様式の美しい建築が並び、その華麗な装飾に目を奪われる。特にサンタ・クローチェ聖堂のファサードは、首が痛くなる程見上げていても、飽きることはない。細部まで掘り込まれたユニークな彫像が、見上げる旅人を静かに見下ろしている。
町を歩いて、ちょっと小腹が空いたら、老舗のCAFFE ALVINOで熱々のパンツェロットを頬張るのがお勧めである。これはモッツァレラチーズとトマトが入った揚げパンのようなもので、プーリア名物の一つだと言う。一口食べると、新鮮なモッツァレラがとろけてトマトと一体になって、まるでショウロンポウの肉汁のごとく中から溢れ出した。
日が暮れてからの町は、昼間とは別の顔を持つ。
バロック建築がライトアップされて、やわらかなオレンジ色の灯りに包まれた町を歩いていた時、私は自分が舞台の中にすっぽり入ってしまったかのような気分になった。

サンタ・クローチェ聖堂のファサード

美しい彫刻の数々




ライトアップされた町は、舞台の中にいるような気分にさせる
レッチェでは、サンタ・クローチェ聖堂の正面にある
パトリア・パレス・ホテル(Patria Palace Hotel)に泊まった。部屋には花をモチーフにしたフレスコ画が施され、屋上テラスからはサンタ・クローチェ聖堂のファサードを心ゆくまで眺めることができる。レセプションの対応も感じが良く、この町に相応しい美しいホテルであった。

フレスコ画が美しい部屋


屋上テラスからサンタ・クローチェ聖堂を見る
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南イタリア
プーリア州には、マッセリーアと呼ばれるかつての豪農の館が点在している。その館を利用したホテル、
マッセリーア・イル・フラントイオはオストゥーニ近郊のオリーブ林の中ににある。
チェックインが握手を交わすところから始まるのも、いわゆるホテルとは全く異なる。ウェルカムドリンクの後、オーナーの説明を聞きながら館内をまわる。オーナーのセンスが生かされたインテリアは温かみに溢れ、知人の家にお邪魔しているかのような錯覚を覚える。
その後は、とても和やかな雰囲気の中ランチを頂いた。塩分の低い上品な味付の料理は、オリーブオイルからビネガー、ハチミツに至るまで全て自家製で、オーナー夫人の手作りである。新鮮な野菜をたっぷり食し、プーリアの自然の恵みを感じることができた。
ここでは何もせず、数あるサロンやテラスでくつろぐのが良い。旅日記を読み返したり、これからの旅の計画を練ったりして時を過ごす。そこには豊かでほのぼのとした時間が流れていた。
朝食も素晴らしかった。とびきり美味しい自家製ジャムに手作りケーキやクッキーが可愛らしくセッティングされいる。何から何まで手作りの心づくしのもてなしであった。
マッセリーアの魅力に嵌ってしまったようである。
次回のプーリアへの旅はマッセリーア三昧としよう。

どこまでも続くオリーブの林






泊まった部屋の名はmugetti

バスルームのインテリアも可愛い


シンプルだが洗練された料理の数々
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まるで白く大きなデコレーションケーキを思わせる町
オストゥーニ。
以前テレビで「深夜特急」を見てその存在を知ってから、ずっと憧憬の地であった。想像していた以上の大きな町に、「さて、どこから攻めていくかな」と、大きなケーキを前にした食いしん坊の気分になる。できれば、あらゆる入り組んだ道という道を全て歩いてみたかった。とりあえず歩き始めたが、白く大きな迷宮はなかなかその全貌を見せてはくれない。
次の日も朝からひたすら歩きまわり、少しずつ町を征服していった。
前日に見つけた、この町には不似合いな程お洒落な白いリストランテ
Acquasaleでランチをした。ここは気が利いていて、何も言わなくてもスパークリングワインとアンティパストの盛り合わせを持って来てくれる。かなりおいしい。まだ若いシェフのようだが、腕は相当と見た。トイレも洒落ていて、日本の高級レストランのごとく白いレースのハンカチが用意されている。もし私が編集者なら、間違いなくガイドブックに推薦したい店であった。
午後はまた、地図を片手に片っ端からチェックをしながら歩きまわる。もうほとんど全ての道という道、トンネルというトンネルを通り食いしん坊はようやく満足した。







リストランテ
Acquasaleの様子
オストゥーニではLA TERRA HOTELに泊まった。
町を見渡すテラスやサロンもあり快適に過ごすことができた。

ホテルのテラス

ホテルのサロン
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テーマ:海外旅行記 - ジャンル:旅行
途中電車が遅れ、20時過ぎにようやく南イタリア
プーリア州の
ポリニャーノ・ア・マーレにたどり着いた。事前に予約していたホテルが駅からそう遠くはないことは知っていたが、準備不足のため地図は用意していなかった。その白く美しい町は日本で一番メジャーなガイドブックにさえ乗っていないのである。
10月の日暮れは早く、既に真っ暗で駅周辺にタクシーの姿はない。書き留めていたホテルの電話もなぜか通じない。しかも、ここは南イタリア。あせりと心細さに判断力が鈍る。何とかしなくては!
近くのタッバキに入りそこにいた人々に尋ねる。皆ほとんど英語は通じない。
だが、人間いざとなると身振り手振りと動物的な勘で何とか少し通じ合える。ホテルまでは歩いて10分位で、この町にタクシーは1台も無いとのこと。詳しい道順は全く理解できない。
年輩の迫力ある女性が「彼の車に乗せて行ってもらいなさい。」と何度も言う。見ると感じの良い男性だが、タクシーの運転手でもない通りすがりの人に乗せて行ってもらうわけにはいかない。ここは旅のポリシーとして断る。
困っていると、小柄な可愛らしいおじいさんがホテルまで歩いて一緒に行ってくれると言う。そこには打算も下心も全く無い。歩きながら、懸命に「あなたに会えてうれしい」、「あたなはとても優しいジェントルマンだ」などと言い、何とか感謝の気持を伝える。「ジェントルマン」の言葉ににっこり微笑んでくれた。ホテルに到着し、改めてお礼を言うと、「遠く日本から、この町に来てくれただけで嬉しい。」と言ってくれた。
心にほっと穏かなものが溢れた。
翌日は海辺のリゾートにふさわしく、快晴であった。
美しく輝くポリニャーノの海を眺めながら、ゆっくり朝食を楽しむ。
ハート型模様のカプチーノに熱々パリパリのクロワッサン。
食後は、意を決して旧市街に入り、夢中になってシャッターを切る。どんなに切っても、決して捉え切れない白い迷宮。時々、忽然と現れる海辺に開けたテラス、岸壁に張り付く様に建つ家々、フランスのそれに比べ、無骨だが味わい深い町並み。どんなに歩き回っても疲れず、見飽きることのない風景。
ホテルに戻ると、あらゆるテラスに出て眺め入る。
海の上を走る、船を思わせる屋上テラスは貸切状態で、そこからの極上の眺めはポリニャーノを独り占めしている気分にさせる。
いつか必ず、この風景に会いに戻って来よう。
強く心に誓った。








ホテルテラスからの眺め

ホテル屋上テラスからの眺め

ホテルCOVO DER SARASENIの外観

ホテルのラウンジ

ホテルの部屋
ようやくたどり着いたホテルCOVO DER SARASENIは、有名な洞窟レストラン(グロッタ・パラッツェーゼ)を持つホテルと並ぶ4★ホテルである。10月は洞窟レストランがお休みのため、インテリアの好みでこちらを選んだのだが、とても居心地の良いホテルであった。
プーリア・バジリカータ州の旅行には、「南イタリアプーリアへの旅」(木下やよい著 小学館)がとても役に立ちました。
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